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『波に消えた足音』

としつきは
すぎてゆくもの
足跡は
消えてゆくもの

足音は
遠ざかって
ゆくもの
だから

鳥は
飛び立って
しまうもの
現象としてしか
存在できない
この世界に
生まれきた
生命であったなら

いとしい人との
としつきは
過ぎてゆくもの
いとしい人との
足跡は
消えてゆくもの

いとしい人の
足音は
そして
しずかに
遠ざかって
ゆくもの

いつも
波だけが
ひいてゆく
夜明けの
波だけが

いとしかった人の
足音
おぼえていて
くれる

たとえ
わたしが
あなたの面影
あなたを
いとしいと
思っていた
ことさえ
忘れてしまっても

たとえ
わたしの想いさえ
いつか
消え去った
あとにも


波だけが
ひいてゆく
夜明けの
波だけが

いとしかった人の
足音
おぼえていて
くれる