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『さよならのかわりに』

春だというのに
花は
なかなか
土の中から
顔を
出しませんでした

どうしてなのか
太陽が尋ねます

なぜって?
だってせっかく
顔を出し
太陽の光を浴び
雨に打たれ
やっとの思いで
咲いても

あっという間に
散ってしまうから

だから
わたしはもう
生まれたくないの
ずっとこうして
土の中で
死んだふり
しているのよ

それでも
花は
顔を出す
恥ずかしそうに
花は
顔を出した

だって
夢の中に
あなたが
出てきたから
遠い昔
きれいに
咲いたね、と
言ってくれた
あなたを
思い出したから

いつかまた
会いましょう、と
言った
あなたの言葉を
思い出したから

さようならの
かわりに